1999 年 34 巻 p. 45-48
湛水土中散播条件下における水稲根系の分布を品種間差異の観点から検討した.カルパーコーティング処理を行ったコシヒカリ, ほほほの穂, どんとこい, M202, M401, Lemontの種子を1997年5月5日に散播した.基肥としてLP100を20g/m^2施用し, 追肥は中干し後期の7月7日に珪酸カリを30g/m^2施用した.その他の管理は慣行法に準じて行った.根系調査は, 株直下の2個体についてコアサンプル法(Φ53mm, 400mmD)を用いて実施し, 土壌10cm間隔ごとの根乾物重の階層構造を解析した.石川県の奨励品種であるほほほの穂は相対的に土壌深くまで根を伸長させ, 散播適応性があるものと考えられた.また, 根重と収量構成要素との相関関係も検討した.