日本歯科理工学会誌
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総説
デジタルソリューションの流れを探る─機器ならびに材料学的な課題と今後の展開について─
堀田 康弘
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2020 年 39 巻 1 号 p. 70-76

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抄録

20世紀後半の歯科界は,メタルセラミックスやインプラントなど様々な治療技術が急速に進歩し,20世紀末にはデジタル化に向けた研究・開発が急速に進められたが,CAD/CAMをはじめとしたデジタル機器が普及するには,何らかの変革が必要であった.その一つが,2005年のジルコニアセラミックスの薬事法承認であった.そして2014年のCAD/CAM冠保険適用や「デジタル印象採得装置」が医療機器として追加されたことなどがCAD/CAM機器の普及に拍車をかけた.また,3Dプリンタの応用も日常臨床の中で急速に進んでいる.しかし,現在のデジタル機器は,いずれも海外メーカーの主導による商品開発が先行し,本学会を含め研究の現場では,それら先行して発表される商品を後追い研究しているのが実情である.そこで,このジルコニアが薬事承認されてから現在までの,本学会におけるデジタル関連の研究発表について講演集をもとに考察した.

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© 2020 一般社団法人 日本歯科理工学会
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