呼吸不全にて死去された一人の痩せたCOPD患者の診療において,栄養療法の必要性を痛感した.全身の骨格筋量を反映する徐脂肪体重指数(FFMI)は,COPDの独立した予後因子であり,一般的にFFMIが低下した高度な栄養障害を合併したCOPD患者は,呼吸リハビリテーションの効果は期待できない.栄養障害を伴ったCOPD患者の多くは骨格筋障害を合併しており,骨格筋グリコーゲン貯蔵量を増加させる目的で,日頃から十分なカロリーを摂取する必要がある.運動前後の分岐鎖アミノ酸摂取は,骨格筋蛋白質分解抑制と合成促進を促進する可能性がある.