電氣學會雜誌
Online ISSN : 2187-6797
Print ISSN : 0020-2878
ISSN-L : 0020-2878
短波長ビームに就て(第十一報告)
數米短波の傳播試驗
宇田 新太郎
著者情報
ジャーナル フリー

1929 年 49 巻 492 号 p. 755-770

詳細
抄録

數米電波の傳播を調べる目的で、過去一ヶ年間にわたり、仙臺市を中心として、5粁乃至百數拾粁距たれる各地點に於て電界の強度を測定した。本文には其結果の大要を擧げ、以下示す結論を述べてある。
(a) 數米短波は地表近くでは、著しく吸收をうけ遠距離に到達しない。殊に途中での障碍物例へば山、岡、森林其他建築物等の遮蔽作用による妨害が著しい。
(b) 地表を離れると途中での吸收が非常に少く、僅かの電力(數ワツト)で數十粁以上の通信が充分可能である。故に送受共地表相當の高さに置く事が望ましい。理想の場合は送受が見通しが出來る事である。
(c) 然し途中に少々山や岡があつても、送信所及び受信所の直前が開けてゐる時は、或程度の通信が出來、數ワツトで二、三十粁の通信は左程困難ではない。
(d) 書夜を問はず空電は殆ど感じない。
終りに10粁離れた所でビーコンの試驗をなした實驗結果が擧げてある。

著者関連情報
© 電気学会
前の記事 次の記事
feedback
Top