日本小児血液学会雑誌
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治療抵抗性急性骨髄性白血病6例に対するmitoxantrone, etoposide, cytarabine timed-sequential療法 (EMA療法) の有用性
大杉 夕子原 純一高井 建司中西 康詞松田 佳子太田 秀明多和 昭雄岡田 伸太郎
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1997 年 11 巻 6 号 p. 420-424

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抄録

治療抵抗性急性骨髄性白血病 (AML) に対し, mitoxantrone 12mg/m2/day (day1-3), etoposide 200mg/m2/day (day8-10), cytarabine 500mg/m2/day (day1-3, 8-10, 持続静注) (EMA療法) を試みた.対象は1-14歳のAML6例で2例の再発例を含む5例が寛解導入不能 (IF) 例で, monosomy7を持つ1例は地固め療法として行った.IFの5例中4例で寛解導入が可能で, 地固め療法例は治療後63カ月間寛解を維持している.EMA療法により寛解となった4例中1例は無治療で, 1例は自家, 2例は同種骨髄移植を行い, 20-60カ月間寛解を維持している.1例は非寛解のままHLA不適合ドナーからの末梢血CD34陽性細胞の移植を行ったが再発した.好中球500/μl未満の期間は28-58日 (平均35.4±10.7日) で, EMA療法の重篤な合併症としては, 肺炎を1例, 敗血症を2例に認めた.EMA療法により治療抵抗性AMLで80%の寛解率が得られ, 本治療は治療抵抗性AMLに対するサルベージ療法として有用と思われる.

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