日本胸部疾患学会雑誌
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モルモットの高張食塩水誘発気管支収縮 (HSIB) の機序の検討
橋本 奈緒美小山 信一郎堀江 孝至
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1995 年 33 巻 11 号 p. 1174-1179

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抄録

気道上皮の浸透圧変化により起こるとされる高張食塩水誘発気管支収縮 (HSIB) の機序は未だ明らかでない. 今回我々は, モルモットにおいて高張食塩水吸入による気管支収縮が誘発されるか否かを確認し, その機序を検討した. ハートレイ系雄モルモット25匹をG-1: 生理食塩水吸入群, G-2: 高張食塩水吸入群, G-3: カプサイシン前処置群, G-4: 臭化イプラトロピウム前処置群, G-5: クロールフェニラミン前処置群に分け, G-1は生理食塩水を1分間ずつ10回, G-2~5は高張食塩水系列の濃度を上げながら順次1分間ずつ吸入させ, 各々のRL, Cdynの前値に対する変化率を求めた. max%RLはG-1; 9.2±3.8%, G-2; 90.6±6.6%, G-3; 11.2±5.7%,, G-4; 9.0±6.0%, G-5; 47.8±4.0%であった. これらよりモルモットのHSIBは濃度依存性に認められ, 非アドレナリン非コリン作動性神経及び, コリン作動性神経の関与が示唆された.

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