1990 年 28 巻 8 号 p. 1085-1091
クローン化ヒト DNA Alu-family をプローブとして Dot Hybridization 法を行い, 良性, 悪性肺疾患患者における血中DNA濃度を測定した. 原発性肺癌患者では, 良性肺疾患患者, 健常人に比し有意に高値を示した. 各組織型別には特に差は認めなかった. 臨床病期別にはIII+IV期においてI+II群に比し有意に高値をとった. また治療前後において測定し得た症例では, 治療効果を認めた症例において血中DNA濃度は低下を示したが, 一方, 治療効果がなく, 悪化した症例では上昇を示した. したがって治療効果判定におけるマーカーとしても有用であると考えられた.