行動医学研究
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原著
在宅高齢者の運動習慣と身体・認知・心理機能との関連
村田 伸大山 美智江大田尾 浩村田 潤木村 裕子豊田 謙二津田 彰
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2010 年 15 巻 1 号 p. 1-9

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抄録

本研究は、地域在住の高齢者181名(平均年齢74.3±5.7歳)における運動習慣の有無と身体・認知・心理機能を調査し、それらの関連性について検討した。運動習慣有り群81名と無し群100名の身体・認知・心理機能について、性と年齢を調整した共分散分析で比較した結果、運動習慣有り群は無し群に比べて、下肢筋力や歩行能力などの身体機能、知的機能や注意機能などの認知機能、主観的健康感や生活満足度などの心理機能が有意に良好な値を示した。これらの知見から、高齢者が運動を定期的に行うことは、高齢者の健康増進に結びついていることが示された。とくに、下肢筋力や歩行能力などの身体機能、および注意機能の老化抑制効果が期待でき、転倒予防につながる可能性がある。さらには、知的機能の低下を抑制する効果や精神的健康状態を高める作用も期待できることから、高齢者の効果的な介護予防の手段として期待される。

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© 2010 日本行動医学会
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