2011 年 24 巻 2 号 p. 315-329
【目的】当科における,TUL-assisted PNL(以下TAP)の術式および治療成績を紹介する.
【対象と方法】2007年11月より2011年3月までに59例に対して修正Valdivia体位によるTAPを行った.腎盂内腔および良好な視野を確保し,結石破砕片の排出を促進するために,持続灌流を双方向から行った.
【結果】全例,超音波・X線透視・内視鏡併用による腎杯穿刺を行い,経皮的腎瘻シース1本でTAPを行い,Stone free rateは77.6%であった.全例輸血は不要で,術後38.5℃を越える発熱患者を13.3%に認めた.
【結論】修正Valdivia体位によるTAPは,体位変換は不要で,治療成功率は高く,合併症の発生率が低いため,安全で有用である.TAPは今後,難治性上部尿路結石症例に対する標準的低侵襲治療になる可能性が高い.